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相続と遺贈って何が違うの?その違いを分かりやすく解説します!

皆さんは「遺贈」という制度をご存知ですか?
「相続は聞いたことがあるけれど遺贈という言葉は知らない」という人や、「言葉は知っているけれど相続と何が違うの?」という人もおられるでしょう。
相続とは簡単に言うと、「亡くなった人の財産や一切の権利義務などを、法定相続人にゆずる」ことになります。
遺贈を簡単に言うと、「亡くなった人の財産の一部または全部を、法定相続人以外へ移転させる」ことです。こうして言葉の意味を比べてみると、細かな違いはあるものの、同じような内容だと感じる人もいるのではないでしょうか。
本記事では遺贈とはどのような制度なのかということを、相続との違いを比較しながら解説させていただきます。

 

相続と遺贈、何が違うのか比較してみよう

遺贈と相続は一体、何が違うのでしょうか?遺贈も相続も、亡くなった人の財産を受け継ぐことでは一致しているように考えられます。
しかし、遺贈と相続は同じように見えて異なる制度です。ここからは、遺贈と相続の違いを比較して、遺贈について理解していただこうと思います。

 

1.故人の財産を受け取れる人が異なる

遺贈と相続が異なる点で、一番分かりやすいのが亡くなった人の財産を「受け取る人」の違いでしょう。
相続では、亡くなった人の財産を受け継ぐのは民法で規定された「法定相続人」であるとされています。つまり、法律によって財産や権利義務を受け継ぐのは、故人の配偶者、子、両親、兄弟姉妹であると定められているのです。
相続では、遺言状がない場合でも話し合いで財産の分け方を決める遺産分割協議を行う方法や、法定相続分に従うことで財産を分割することができます。
遺贈は、亡くなった人の財産を受け継ぐという点においては、相続と変わりはありません。しかし、遺贈の制度を利用した場合、故人の財産を受け継ぐのは法定相続人に限定されていないのです。つまり、婚姻関係や血縁関係がない他人であっても、財産を受け継ぐことができるということになります。
相続では、遺言書が無くても故人の財産を受け継ぐことができましたが、遺贈の場合には遺言書を作成しなくてはいけません。遺贈の場合には、遺言書が必要であるということを覚えておいてください。

 

2.相続税や登録免許税など、税金や税率が変わってくる

遺贈によって亡くなった人の財産を受け継いだ場合には、相続と同様に「相続税」が発生します。
ここで注意していただきたいのが、遺贈によって発生する税金は「相続税」であるという点です。遺贈は贈与に似ていると感じ、遺贈によって発生するのは「贈与税」だと勘違いしている人も多いようです。しかし、遺贈の起因となるのは、人の死亡ですので相続同様、「相続税」が発生することになりますので、覚えておいてください。
遺贈によって財産を受け継ぐと、相続税の基礎控除額が変わったり、相続税額の2割加算が適用されたりしますので、注意しておきましょう。
更に、登記の際に支払う登録免許税にも違いがあります。相続によって財産を受け継ぐと、登録免許税は不動産価格の1000分の4です。しかし、法定相続人以外の人が遺贈によって財産を受け継ぐと、登録免許税は不動産価格の1000分の20となります。

 

遺贈には2つのパターンがある

相続と遺贈の違いがご理解いただけたでしょうか?ここからは、遺贈における2つのパターンをご紹介します。亡くなった人の財産に負債があった場合、その取り扱いが違ってきますので確認しておきましょう。

 

1.包括遺贈

包括遺贈とは、遺産の内容を特定せずに全部、または遺産全体の何割のように割合によって与える遺贈のことを言います。どちらかと言えば、相続に近いイメージを持っていただけると良いでしょう。
この場合、借金などの負債があると、その負債も割合に応じて引き継ぐことになりますので、注意が必要となります。
もし、遺贈された財産の負債が大きくなりすぎて不利になる場合には、家庭裁判所に「相続放棄の申述」を行うことで放棄することが可能です。

 

2.特定遺贈

特定遺贈とは、あらかじめ遺贈する財産のうち、特定のもの指定して与える遺贈のことです。
例えば、「Aに不動産を与え、Bには現金を与える」という内容を遺言書に記載し、遺贈を行います。
特定遺贈に関しては、負債を受け継ぐことはなく、遺言書に記載されている財産を受け継ぐというシンプルなものです。
また、遺贈を受けたくないという場合、包括遺贈のように家庭裁判所の手続きを経ることなく、法定相続人に「財産を受け取らない」意思表示だけで済みます。

 

まとめ

遺贈と相続は似ているため、混同してしまう人も多い制度です。しかし、相続と違い、法定相続人以外の人にも財産を残すことができる点が異なります。つまり、可愛いお孫さんやお世話になった甥や姪にも財産を残すことができますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
相続や遺贈について悩みや相談がある場合、専門家である司法書士に相談してみてはいかがでしょうか。悩みの解決だけでなく、その他の相続や遺贈についてのアドバイスももらえます。是非とも、お近くの司法書士へご連絡してみてください。