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皆さん、こんにちは。皆さんは自分自身が元気なうちに、ご自身の財産を誰かに(例えばご自身のお子様やお孫様に)譲っておきたいと考えたことはありませんか?考えたことはあるけど、財産を譲るのは「相続」の時に出来るから大丈夫だと思っていませんか?
確かに、一般的に財産を誰かに譲ることを考える際には、「相続」が真っ先に浮かぶかと思います。ですが、元気なうちに財産を譲り、名義を変更する方法もあるのです。それが、「生前贈与」です。
「相続」が行われれば、同じように財産を譲り渡して、名義の変更が出来るのに「生前贈与」による方法を選択する意味はあるの?
この様に思われる方もおられるかもしれません。ですが、「生前贈与」によって名義変更を行っておくことで得られるメリットもあることをご存知でしょうか。
今回は「生前贈与」によって名義を変更しておくことのメリットとデメリットをご紹介して、「生前贈与」とはどのようなものなのかをお伝えしたいと思います。
生前贈与によって得られるメリットとして知っておいていただきたいのは、相続税の対策になるということです。相続税は、取得する金額によっても異なりますが、10%~55%となっています。
それでは、なぜ生前贈与を行うと相続税の対策になるのでしょうか?それは、贈与税における「暦年課税」という制度が存在するためです。
「暦年課税」とは、年間に110万円以内の贈与であれば、贈与税の課税対象外になるというものです。そこで、ご自身の所有する財産を細かく分けて、お子様やお孫様に贈与して名義変更を行うことで、贈与税を抑えることが出来るという理論です。ですが、の方法にはデメリットが存在しますので、少し注意が必要です。そのデメリットについては後述させていただきます。
相続による財産分与では対象者が決まっています。ですので、遺言等を作成していない限りは対象者のみが財産を受け取るのが原則となります。
ですが生前贈与による場合は、相手をご自分で選んで財産を分けることが出来ます。例えば、相続では例外的な事由がない限り、お子様を飛ばして、お孫様に財産を相続させることはできません。しかし、生前贈与であれば、そのような財産分与の方法も可能なのです。元気なうちに可愛いお孫様の教育資金のために名義を変更しておくということも出来るのです。
相続と言えば、ご自身が亡くなられた後に、相続の対象者に財産が分与される制度です。ですので、財産分与の時期は、ご自身が「亡くなられた後」となります。
相続とは対照的に、生前贈与による場合は、いつでも財産を分け与えることができます。例えば、ご自身が元気なうちにお子様やお孫様に、財産を分けて名義変更を行うことが可能となります。財産の分与がスムーズに行われれば、関係者全員が喜んでもらえるのではないでしょうか。
上記2つのメリットから分かるように、生前贈与を行う一番のメリットは「節税のため」ではなく、「相続トラブル」を未然に防げることではないでしょうか。
遺言等でトラブルはある程度防ぐことが出来るかもしれません。しかし相続の場合、遺産分割協議や遺留分(遺言でもとりあげることのできない一定割合の留保分)の制度が存在しているため、すんなりと遺産分与ができないことも考えられるのです。
ですが、生前贈与を行う場合は、財産を所有している本人も元気ですので、財産分与の調整を行い、円満にご自身の財産を分け与えることができるのです。一番の財産は、何よりも家族が仲良く、笑顔で暮らせることではないでしょうか。
メリットの項目で述べさせていただきましたが、暦年課税の制度を利用した場合は贈与税の基礎控除によって非課税となります。ですが、例えば30年間に渡って110万円を贈与するという契約が最初から取り決められていた場合は、暦年課税の対象とはならない可能性があるのです。
つまり、節税が目的となっている贈与は認められない可能性があるということなので、注意が必要です。このように暦年課税が認められなかった場合、契約した年にまとめて贈与税が課税される可能性もあるということです。
また、暦年課税の制度の見直しも検討されているので、暦年課税の制度を利用して生前贈与を考えている方は、今後の動向に注意を払っておく必要があるでしょう。
その他にも、財産が不動産だった場合は、不動産取得税を支払わなければならなかったり、名義変更の際の登録免許税(登記の際に国に納める税金)が割高になる等が挙げられます。
皆様が元気なうちにご自身の財産を贈与し、名義を変更しておくことにはメリットがあること、そして注意すべきデメリットがあることもお分かりいただけたかと思います。
元気なうちに生前贈与を行い、名義を変更しておくことは家族同士が不要なトラブルに巻き込まれるのを未然に防ぐことができる可能性があります。一番大事な家族の絆を大切にできるかもしれない「生前贈与」を、財産分与の選択肢として考えていただけるようになれば幸いです。
財産を分与した後には、登記が必要となる場合があります。もちろん、ご自身でもできるのですが、登記の専門家である司法書士に頼むことで、書類作成や登記申請を任せることが可能です。ご自身で登記を行う際の煩わしさを解消する意味でも、司法書士への依頼もご検討してみてください。