大阪中央区の中村司法書士事務所です。相続登記の事ならお任せください!まずは無料相談を!
ブログ
皆さんが所有している不動産、名義変更はお済みですか?まだお済みではないという方は、今後、大変なことになってしまうかもしれないというお話です。
そもそも不動産(土地や建物)は大切な財産ですので、その一つ一つについて、どこにあって、どれくらいの広さで、誰が所有しているのかを記録することになっています。そして、その記載に変更があった場合は、その旨を申し出て(登記申請)、登記官に記録を書き換えてもらいます。
その情報の中でも、「誰が」所有しているのかは大事な情報ですので、所有者が変わった際には「所有権移転登記」を行い、所有者が変わったことを公にしなくてはいけません。これが、いわゆる「不動産の名義変更」となります。
本記事ではなぜ、相続で不動産を取得した際に名義変更が必要になるのかを解説していきます。
本記事を読んでいただいている方の中には、相続によって不動産を取得した方もおられるかもしれません。そこで、ひとつだけ質問をさせていただきたいと思います。
「取得した不動産の相続登記(名義変更)はお済みですか?」
「もちろんだ」という方、「まだです」という方、「え?しないといけないの?」という方もいらっしゃるでしょう。
結論から言わせていただければ、「出来る限り、早めに相続登記を行ってください」と言うことになります。なぜ、「出来るだけ早く」なのか?その答えは、実は現在、相続登記を行う義務が相続人にはないためです。ですので、いつまでに相続登記をしなければならないということもありませんし、現状、しなかったからと言って罰則が定められている訳でもありません。
それなら、相続登記はしないままでも良いのでしょうか?答えは、もちろん「No」です。その理由を説明させていただきます。
相続登記をしていないと不動産の売却や、不動産を担保にしてお金を借りることができなくなってしまいます。
亡くなった方の不動産を相続人が相続したことは、他の人には分かりません。そのため、所有権が移ったことを公にするために、相続登記を行う必要があるのです。
不動産は高価なものですので、所有者が誰か分からないと購入を躊躇してしまいます。また、銀行も所有者が分からない不動産を担保としてお金を貸すのはリスクが大きいので、融資を見送られることになってしまうでしょう。
相続登記をせずに放置していた場合の問題点として、相続関係が複雑になる可能性が挙げられます。
相続登記をするまでは、不動産は相続人全員で「共有」している状態になります。もし、相続登記をしないまま、相続人のうち一人が亡くなったとするとどうなるでしょうか。相続人の持分を、新たな相続人が共有することになり、相続人の数がどんどん増えていくことになります。
遺産分割協議によって相続登記をする場合、相続人の同意と印鑑証明書が必要になります。相続人の数が多ければ多いほど同意を得るのは難しくなりますし、遠方に住んでいる方がいる場合、連絡を取るのにも時間がかかってしまいます。その間に、更に相続人が増えることもないとは言えません。そして、相続人の数が増えれば増えるほど相続関係は複雑になっていき、相続登記をすることが難しくなる可能性は高くなります。
相続人に負債を抱えている方がいた場合、相続した不動産の相続持分を差し押さえられる可能性があります。
問題点②でも述べさせていただきましたが、不動産は相続登記をするまでは、相続人全員が共有している状態になっています。その場合、債権者は債務者の法定相続分を差し押さえることができます。これは、民法909条の規定で、遺産分割の効力は第三者の権利を侵害できないとされているからです。
これまで解説させていただいた通り、現状として相続登記は期限も罰則もない状態です。そのため、所有者不明の土地が増え、その土地の円滑かつ適正な活用等ができないという問題が増えてきました。そこで、相続登記を義務化する改正法が2021年4月21日に成立したのです。
この改正によって、相続や遺贈を知った時から3年以内に相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が課されるようになりました。
また、罰則だけでなく相続登記の申請を促すため、これまでは基本的に相続人全員で行うものとされていましたが、単独で申請ができるように改正されています。
以上のように、相続登記申請を放置しておくと様々なデメリットがあることをご理解していただけたと思います。
また、今までは「当事者同士の任意」的なものであった相続登記についても、義務化されることになり、違反者には過料が課されることになりました。皆さんの不動産は今、どの様な状態でしょうか。「相続はしたけど、名義変更はしていなかったな」という方もいらっしゃるでしょう。そのような時は、登記のプロである司法書士に相談するのも、一つの方法ではないでしょうか。