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相続は大切な方が亡くなると同時に開始されます。そして、遺産の分割が完了した後に行うのが相続登記です。
インターネット上では相続手続きを自分で行う方法が公開されていますが、実際には相続登記を自分で行うのは難しい場合があります。
本記事では、司法書士に相続を依頼した方が良いケースや他の専門家との違いを解説していきます。
相続手続きについては、司法書士に依頼するのが一般的ですが、次のようなケースでは司法書士に依頼することで相続手続きをスムーズに行えます。
手続きが複雑化するのは、以下の3つが要因である場合が多いでしょう。
(1)相続登記を長期間放置していた
(2)相続人の数が多い
(3)不動産の数が多い
(1)の場合、最初の相続の後、新たな相続が発生している可能性があります。その場合、相続の対象となる不動産に対して新たに権利を得ている人物が増えている可能性があり、相続人が高齢だと認知症等により遺産分割協議ができないこともあり得ます。また、相続登記に必要な住民票などの必要書類が取得できないという可能性もあり、相続手続きが複雑化してしまうのです。
(2)の場合、遺産分割協議を行うことを前提とした際、相続人全員と連絡を取る必要が出てきます。相続人が多い場合は、連絡先を知らなかったり、面識がないという人もいるかもしれません。そのような場合は、各相続人の戸籍謄本等から所在を調べるだけでも膨大な時間と手間がかかります。また、面識のない相続人と連絡を取りながら遺産分割協議を行うのは大変なことですし、揉めてしまうと遺産分割協議がまとまらないという事態にも陥りかねません。
(3)の場合、相続登記のために必要な、各不動産の登記事項証明書や固定資産税評価証明書の取得に手間がかかる上、その数が多いと書類の取得忘れなどのミスが発生する可能性があります。また、不動産をすべて把握できておらず、後になって見つかるとまたその不動産について遺産分割協議を行うなどの手間が発生するかもしれません。
このように、相続手続きが複雑化しそうな場合は司法書士に依頼することをおすすめします。
以下の場合、家庭裁判所で事前に手続きを行う必要があり、専門的な知識が必要です。
(1)相続人に行方不明者がいる
(2)相続人に未成年者がいる
(3)相続人に認知症の方がいる
(1)の場合、行方不明の方を除いて行われた遺産分割協議は無効となります。遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるからです。どうしても所在が分からない場合は、家庭裁判所に申し立てて不在者財産管理人を選任してもらい、遺産分割協議を行わなければいけません。相続人が7年以上の長期期間に渡って所在不明の場合、失踪宣告を申し立てるという方法もありますが、こちらも家庭裁判所への手続きが必要です。
(2)の場合、相続人が親権者と未成年者の場合、利益相反の状態になってしまう可能性があり、家庭裁判所に対し、未成年者のための特別代理人を申し立てる必要があります。どのような場合に利益相反になるかの判断には専門的な知識が必要です。
(3)の場合、相続人の意思能力が低下しているため、そのまま遺産分割協議を行うと無効になってしまいます。そのため、遺産分割協議を行う前に家庭裁判所に対して後見開始の申し立てを行い、認知症の相続人のための後見人を選任しもらわなくてはいけません。
このように、事前に裁判所への手続きが必要になる場合は、専門的な知識が必要になりますので、司法書士に依頼することをおすすめします。
相続手続きについては、司法書士に依頼するのが一般的ではありますが、他の専門家に依頼する方が良いこともあります。
遺産相続についてトラブルが発生した場合や、遺産分割調停や審判などの裁判所の手続きなどに対応しなければいけない場合は、弁護士に依頼することがおすすめです。
相続人間に紛争やトラブルがある場合は弁護士に依頼しましょう。
相続税の計算や申告には専門的な知識が必要になる場合があります。特に相続税の控除などについては、税理士の専門分野になりますので税理士に依頼すると良いでしょう。
相続財産に自動車や農地が含まれている場合には、行政書士に依頼した方が良いでしょう。自動車の名義変更や農地の相続に関する許認可取得などは行政書士の専門分野です。また、相続に関する書類作成など事務的な手続きが主な場合にも行政書士に依頼することをおすすめします。
相続手続きは、自分でするよりも司法書士に依頼した方がスムーズに完了することが多いと言えます。相続が開始された場合は、まず司法書士に依頼すると良いでしょう。
その中で、トラブルがある場合は弁護士に、税金に関することは税理士に、許認可等の手続きが必要な場合は行政書士にと、場面に合わせて専門家に相談することでスムーズに相続手続きを完了することができます。