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皆さん、こんにちは。相続をする際に遺言書がない、または遺言書の内容と違う形で相続をする場合には、遺産分割協議が必要になることをご存知ですか?
この遺産分割協議は、法定相続人全員で行う必要があり、もし1人でも欠けた状態で行うと無効になってしまいます。
このような事態は滅多にないかもしれませんが、もしも、相続人の1人が音信不通であったり、行方不明になったとしたら、相続は一体どうなってしまうのでしょうか?
遺産分割協議ができない以上、相続自体ができなくなるという事態になってしまうのでしょうか。
本記事では、相続人の中の1人が音信不通、行方不明になってしまった場合の相続について解説していきます。
冒頭でも書かせていただきましたが、相続が開始された場合に音信不通の人や行方不明者がいると、相続手続きが滞ってしまう場合があります。
その様な場合には、どのように対処すればよいのでしょうか?ここでは相続時に音信不通や行方不明になった相続人がいる場合の対処法を解説します。
行方不明とはいかないまでも、相続人の中に疎遠になってしまっていて連絡が取れなくなっている人がいることもあるでしょう。
その様な場合には、戸籍の附票を取得することで住所を調べることが可能です。戸籍の附票とは、本籍地の市町村が戸籍を作成する際に一緒に作られるもので、戸籍が作られてから現在に至るまでの住所が記載されたものです。
「戸籍って誰でも簡単に取れるものではないのでは?」と思う人もおられるでしょう。
実は、法定相続人である場合、他の法定相続人の戸籍の附票を取得することができるのです。戸籍の附票で住所を確認し、手紙を送ったり、実際にその住所を訪れることでこの問題は解決です。
他にも、親せきや共通の友人・知人に連絡したり、SNSを利用してみるのも良いでしょう。
相続人のうち1人が行方不明になってしまった場合、失踪宣告の申し立てを行う方法があります。
行方不明になった相続人の生死が7年以上不明のとき(普通失踪)または、震災・水害などの危難が原因で行方不明になったときは、危難が去ってから1年以上行方が分からなければ(危難失踪)、相続人などの利害関係人が家庭裁判所に対して失踪宣告の申し立てを行うことができます。
失踪宣告を受けた行方不明者については法律上、「死亡したもの」とみなされるので遺産分割協議は不参加で開始することができます。ただし、行方不明者に法定相続人がいる場合は、その相続人が遺産分割協議に参加することになります。
行方不明者への対処法として、もう一つあげられるのが行方不明者(不在者)の財産管理人の選任です。
これは、生きている可能性は高いけれど相続人の住所が分からない場合や行方不明になってから7年未満の場合などに、相続人などの利害関係人が行方不明者の最後の住所地または居住地を管轄している家庭裁判所に対して財産管理人の選任を求める制度です。
財産管理人には、利害関係のない親戚や友人に頼むことも可能ですが、多くの場合は弁護士や司法書士などの専門家を候補者にするようです。
選出された財産管理人は、家庭裁判所に対して「権限外行為の許可」を申請し、承認を得たうえで遺産分割協議に参加することになります。
相続人に行方不明者がいる場合には、失踪宣告や財産管理人の選任などが必要になり、通常の相続よりも手間と時間がかかってしまいます。
しかし、実は相続では、行方不明者がいたとしても、上記のような手続きを経ずに相続を開始することができる場合があります。
それが、遺言書がある場合と法定相続分で相続を行う場合です。
遺言書がある場合は、遺言書に書かれている通りに相続することになりますので、遺産分割協議は必要ありません。
また、法定相続分の通りに相続する場合も同様に、遺産分割協議を行う必要がないため、相続人に行方不明者がいても相続に支障がないのです。
以上のように、相続人に行方不明者がいる場合で、遺産分割協議を行うときには対処法を講じる必要があるため、通常の相続よりも時間も手間もかかってしまいます。
そうならないための対策として、遺言書を用意しておくなどの準備を行っておきましょう。
一つだけ注意しておいていただきたいのは、行方不明者がいるという理由で相続の手続きを先延ばしにしないことです。
なぜなら、相続に関しては、2024年4月1日から相続登記が義務化されるからです。
この義務を怠たった場合にはペナルティが課されることになりますので、必ず相続手続きを進めるようにしてください。
相続について分からない点や、不安に思っていることがあれば近くの司法書士など専門家に相談してください。
的確なアドバイスをもらえたり、不安を解消してもらえるでしょう。